ついに実現する空手vsキックvsカンフー(3)

まずはイー・ロンが中国武術会において日本における佐竹や武蔵のような存在であるということだ。佐竹や武蔵が空手界、日本格闘技界に残した功績は限りなく大きい。私は彼らを尊敬して止まない。

私にとって誇りなので何度でも言ってしまうが私は極真のチャンピオンクラスの選手と数度戦ったことがある。チャンピオンクラスの選手とは4回戦い、3回KO負けした。そして最後のチャレンジでは3分間最後まで立っていて判定負けだった。それも最初の1分間は私の方が優勢だった。もちろんスタミナ切れで後半は攻められたが3分立っていることができた。これが私の格闘技人生の最大の誇りである。

そんな私であるから、極真空手がどれほど強いかということが身をもって知っている。1線級の選手たちの攻撃は人間の耐久力を明らかに上回る。つまりまともに食らえばKO間違いなしと言うことだ。

KO負けと言うのは実に恐ろしい。よくボクシングで上は天国、下は地獄と言う。頭部への打撃は意識が飛んでいくが、ボディへの攻撃は痛みでのたうち回る。私は両方とも経験した。

極真空手に何度も挑戦する中で最初のうちは本当に足がガクガク震えるほど恐ろしかった。フルコンタクトの道場に通い、フルコンタクトの技術に精通して、スパーリングをたくさんやって、ようやく恐怖を克服することができた。

佐竹や武蔵という正道会館出身の選手たちは間違いなくそのような恐怖体験をしているはずなのだ。相手は人間の規格を超えたモンスターたちである。命の危険を犯して、彼らが一線級のキックボクサーたちに挑んでくれたおかげて、日本の空手は大幅な進歩を遂げた。反面、キックボクシングに寄りすぎて、空手の伝統的技法が失われつつあるのは大問題ではあるが。

私はイー・ロンは中国拳法界における、佐竹や武蔵のような存在であって、中国拳法にキックのテクニックを本格的に導入した草分け的存在だと考えている。

もちろん、中国拳法には散打と言うものがあってもともとは流派の違いを超えて技量を試しあう試合であったが、散田の試合になると、日頃練習しているはずの各流派の技がほとんど見られず、まるでキックボクシングの試合のようになる事は従来から指摘されていた。その上最近では散打の意味が変わり、散打と言う中国拳法の流派ができている。

そういう意味においては空手から突然キックの世界に飛び込んだ佐竹や武蔵よりはだいぶ有利な環境だったと言えると思う。

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