ついに実現する空手vsキックvsカンフー(4)

しかしそれ以上にイー・ロンには注目すべきことがある。フィリョがすごいのは、K-1のリングでまごう事無き空手技を使ってみせたことである。発勁(空手では当破という)ともいえる重心移動による技、かぎ突き、後ろ蹴り。まさに空手技のオンパレードだった。後で解説するがそれだけではない。フィリオは空手にキックボクシングの技を見事に融合させている。その視点で言えばアンディフグの貢献も大きいだろう。かかと落とし、後回し蹴り、下段後回し蹴り(フグトルネード)。自分よりも体格的にはるかに勝る一線級の選手たちを空手技でばったばったと倒していった。彼らのおかげで空手の技術体系は、キックボクシングとは1線を画しており、それがキックボクシングに通用する強力な技であることが実証された。日本人のたくさんの空手家たちは自信と誇りを胸に日々修練に励むことができるようになった。

それと同様にイー・ロンは中国拳法の技をキックボクシングのリングの中に持ち込んだ功労者なのである。

イー・ロンとブワカーオが武林風で初めて戦った試合はまさに中国拳法の歴史に一石を投じる素晴らしい価値のある試合であった。この試合について私独自の観点で解説してみよう。

まず、試合開始直後、イー・ロンがローキックでブワカーオを倒した。私は何が起きたのか理解できず頭が混乱してしまった。私はムエタイ最強の技はテツ・ラーンすなわち、ローキックであると思う。ブワカーオはムエタイの中でも最強に近い選手の1人だ。そのブワカーオをローキックで倒すなどありえない。私はこの動画を何度も何度も穴が開くほどみたが、実はイー・ロンがブワカーオを倒した技はローキックではなかった。

画像を見ながら説明したい。

技の初動、綺麗に正中線が立っている。踏み込みはやや浅くこのくらいのローキックでブワカーオを倒せるとはとても思えない。

ところがイーロンの狙いは奥足だった。これはフルコンタクト空手高等技術奥足ローキックではないか。キックボクサーが奥足ローキックを使うのを見たことがない。これは明らかにフルコンタクト空手独自の技術だ。まさかイーロンはフルコンタクト空手まで練習しているのか?しかしそれは私の思い違いだった。イーロンが使っていた技は中国拳法の技だったのである。

この後ブアカーオが立ち上がり再びいろんな同じ技でイーロンが倒すと言うシーンが繰り広げられた。そのシーンを見て私はこの技の正体がようやくわかった。

体ごと巻き込むような独特のローキックと同時にイーロンはバックハンドを放っていたのだ。

コメント