ついに実現する空手vsキックvsカンフー(5)

第一ラウンドは機先を制したイーロンが有利に試合を展開した。しかし、真に恐るべきはブワカーオである。第二ラウンドになると何事もなかったかのように、まるでノーダメージに冷静に試合を進め、ブワカーオの技が次々に決まり始めた。3ラウンドに入ってもその勢いは止まらず、このまま試合決するするのかと思われた瞬間

イーロンは恐るべき切れのハイキックでブワカーオを奇襲した。しかし恐るべきはブワカーオこの鋭いハイキックを余裕で見切ってスウェイバックでかわしてしまうのである。しかし、この心の隙を生み出すことこそがイーロンの狙いだった。中国拳法の恐ろしさの一つは人間の心理的な隙や思い込みを利用する技が多数存在していることにある。

ハイキックを蹴った流れてイーロンはバックスピンパンチの態勢に入っている。

虚をつかれたブワカーオはもろにくらい、大ダメージを負うことになる。結局、判定にもつれ込みブワカーオは勝利する。私は非常に公正なジャッジに感銘を受けた。それくらい僅差の試合であった。このハイキックからバックスピンパンチへのコンビネーションはあまり多用されないが、K-1では結構使う選手もいるし、珍しくない技ではあるのだが、私が注目したのは技の使い方というか心理的駆け引きである。3ラウンド勝利を確信して、できたブワカーオのわずかな心の隙に放たれた技であった。イーロンの流派は少林拳、太極拳、詠春拳であって、私が知る限りこのような回転技は少林拳、太極拳、詠春拳には存在していない。というかそもそも回転技を発明したのは極真空手だと私は思う。回転技こそ極真空手を代表する最強の技の1つだ。回転技についてはまた回を別にして書いてみたいと思う。

 

とにかくイーロンは中国拳法にキックボクシングの技術を導入し、キックボクシングのリングに立ち、キックボクシングのリングで中国拳法の技が使えることを実証してみせた英雄であるというのが私の主張だ。

 

しかしイーロンに関してはもう下り坂の選手であり、今後の活躍は期待していない。むしろ彼の技術と思想を引き継いだ若手に期待するところだ。と言う所まで来て実に武術家や格闘家にとって胸躍る知らせが届いている。

 

【K-1】7月大会で日本vs中国全面対抗戦第3弾
『K-1 KRUSH FIGHT 103』が開催されるのだ。

 

日時場所は2019年7月21日 (日)東京·後楽園ホール。

 

KRUSHvs中国の格闘技イベント『WLF武林風』の全面対抗戦が行われる。

 

この対抗戦は2017年、2018年に続いて3回目となり、2017年は中国チーム、2018年は日本チームが勝利を収めている。

中村拓己K-1プロデューサーは「今年は昨年以上の強豪選手が中国からやってくると思います。日本チームとして迎え撃つ形でいい試合をお届けしたいと思います」と話し、日本チームのメンバーについては「過去に対抗戦に出たメンバーからも選ばれると思いますし、対抗戦に入れてハマる選手やブレイク選手もいると思うので、対抗戦経験者と初めての選手を上手くミックスして、過去2回とは違うチームを編成できたらと思います」とした。

また、「個人的には昨年の対抗戦に出たジャオ·チョンヤン選手。対抗戦ではレオナ·ペタス選手に敗れたのですが、KRUSHルール向きで非常にいい選手なので、もしチャンスがあればまた日本で見たい選手です」と中国側にリクエストも。

 

中村拓己氏は若くて勢いのある選手に日本で活躍してもらいたいと思います」とし、「中国では過去の対抗戦でKO勝ちした選手に出て欲しいというリクエストがありますが、私としては、新たな視点で今旬の若いファイターが中国勢と拳を交えてくれたらと思います」と若い世代同士の戦いを中心とした対抗戦にしたいと希望した。

私は中村拓己K-1プロデューサーの意見に賛成である。K-1も独自の安定した選手育成システムが完成し、日本に新しい格闘技が生まれようとしている。中国はそこまで進歩していないと思うが、何しろ中国拳法や散打の土壌がある国である。日本が決して有利と言うわけではなく、おそらく互角の試合が展開されることと予想される。

 

K-1のKは空手、キック、カンフーのKである。ようやく石井館長が思い描いた最強の三大打撃系格闘技の祭りが始まる。石井館長は脱税で捕まってしまったが、私の石井館長に対する尊敬の念は全く衰える事は無い。彼のおかげで格闘技を愛する者たちの夢が叶ったのだ。ここで進化した技術をそれぞれの流派に持ち帰ってほしいし、それとは別にそれぞれの流派の古流の技法を学び守るムーブメントも必要になってくる。今から7月が待ち切れない。テレビ放送は入るのだろうか?東京に行かないといけないだろうか?

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