全ての格闘家が参考にするべき井上尚弥(4)

アレクセイ・イグナショフvsアーサー・ウィリアムスに戻るが、基本ボクサーと言うのは相手の上半身しか見ていない。だからローキックを防ぐと言うのはほぼ不可能なのだ。

試合はその後、ローキック地獄ショーになった。

ここでよく見るとウィリアムスはローキックが来るのを察知している。これがスパーリングの効能だ。私はどんなに優れた格闘技であろうとスパーリングと試合をしない格闘技を認めない。試合をしない格闘技をする人はルールを決めた試合には意味がないと言う。格闘技の中には殺人技があり、それを使うと本当に人が死んでしまうものがある。そういった殺人技を禁止して、かつレフェリーをつけて行うのが試合である。殺人技には頸椎を狙うものが多い。頸椎を効果的に素手で打つと人は死ぬ。それとか、締め技にしても、本当は気管の軟骨と言うのは女性の握力でも潰せるほど弱い。鍛えられた握力で器官の軟骨を1本潰せば呼吸困難で人は死ぬ。よく空手家が、目つき、金的蹴りを使えば空手が最強だという。これは条件があって、まず抜き手といって4本指を立てて手を剣のような形にし、それを徹底的に鍛えあげること。大山倍達先生や芦原英幸氏は抜き手で畳を貫くことができたと言われている。ただし、このレベルになると、歳をとったときに指の関節に障害が出ることが多い。そして指を目に当てる技術を徹底的に磨くことだ。直線的に目を狙ってもまず当たらない。そこで空手や中国憲法はどうするかと言うと下から鼻をスライドさせて指をえぐり込ませる。それでも目付きと言うのはそうそう決まるものではない。私は豚や牛の眼球を何度も何度も解剖したことがあるが、特に豚の眼球や臓器は人間とそれに近く、格闘技者にはとても勉強になる。それで、眼球と言うのは非常に硬く、鍛えあげた指が当たってもそう簡単にえぐれるようなものではないのだ。しかし、目突きの目的は目をえぐることではなく、視力を一瞬奪うことだ。例えば5秒間視力を奪うことができれば、ある程度の実力のある空手家なら相手をどのようにするかは自由自在だろう。金的蹴りの威力は様々な格闘技の試合で、ローブローが少し入っただけで、試合続行不可能になることからもう説明は要らないだろう。

世の中にはこういった殺人技を捨てないで、むしろ上級者には積極的に殺人技を教える格闘技があると言う。本当のことを言えば武術の本質とはいかに効率よく敵を破壊するかにあり、このような武術ほど本質的と言うことができる。何度も何度もくどいが、だからこそ本物の武術を学ぶ者には武徳が求められる。殺人技を繰り返し練習していると、試合においても殺人技を出してしまう。だから、本物の武術を習得したものは試合に出れないと言うのも確かに真実なのだ。

コメント