全ての格闘家が参考にするべき井上尚弥(5)

しかし、第3の道がある。ムエタイの選手たちはルールの中で戦っている。それでもあまりの試合の過酷さから、年間10人ほどの死者が出ると言われている。ムエタイの選手の中には、ムエボーランという古式ムエタイを伝承している選手も少なからずいると聞いている。ムエボーランラン自体は現在ではそんなに秘密にされているわけではなく、ムエボーラン専門の道場もある位だ。しかし、本物のムエボーランには数々の殺人技が伝承されている。しかし、ムエタイの選手はリングでは決してムエボーランの技を使わないのだ。例えば、有名な選手で言えばブアカーオもムエボーランをかなりのレベルで習得している。試合前の踊りのようなワイクールーで少し見せる事はあるが、試合では使わない。試合用の技と殺人技を分けて練習する。これが最上の道だと私は思う。

以下の画像を見るとなんとも複雑な気分になる。まずウィリアムスは頭を下げている。打撃系格闘技で理由もなく頭を下げるのは殺してくれと言っているようなものだ。しかしこれは人間の本能で、恐怖を感じるとどうしても体を丸めて頭を下げてしまう。その反面、ボクサーの本能なのだろう。左手は何とかローキックを防ごうとパリングに行っている。

さらにバックステップするが追い打ちの右のダブルローキック。ウィリアムスがローキック対策を何もしないでリングに上がっているのが見え見えで腹が立つが、少なくとも彼はリングの上ではどうやったらローキックを防げるのか、ダメージを少なくできるのか工夫している。

その証拠に、ウィリアムスはダブルローキックを食ってもダウンしないでこらえて、サークリングで逃れようとしている。

しかし、このような展開はキックボクシングでは日常茶飯事なのでイグナショフは別に慌てることもなく、サークリングするウィリアムスにカウンター気味にローキックを当てに行く。

ウィリアムスも最強のボクサーの意地にかけてこのまま終わることはできない。

伸び上がるような鋭い右ストレート。これが当たっていたら試合はひっくり返ったかもしれない。しかし驚いたことにイグナショフはこれを冷静に右手で叩き落とす。

そして、ガッチリと背中をホールド。よく覚えているが、イグナショフという選手はこのホールドの技術が異様にうまかった。その状態からまさにサソリの一指しと言える一撃で数々の難敵を被ってきたのだ。だからこそ彼はスコーピオンと呼ばれていた。相手を逃げられないようにして止めを刺す。これは武術において1つの究極の技術だと言える。一撃で数々の難敵を葬ってきたのだ。相手を逃げられないようにして止めを刺す。これは武術において1つの究極の技術だと言える。彼がどのようにして、これほどの技術を身に付けたのかは定かではないが、イグナショフの技術はよく研究して、後世に残すべき技術だ。この場合はトドメははやはりローキックだった。

たまらずレフリーが割って入ってTKOとなった。

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