極真空手と古式ムエタイ・ムエ・ボーランの意外な関係(5)

トニー・ジャーの技を見て、古式ムエタイを語れば、古式ムエタイの専門家たちはお怒りになるだろうが、トニー・ジャーの技を見るだけでも古式ムエタイが戦場格闘技であり、いかに効率的に人を破壊する技であるか、その恐ろしさが感じられる。

武術をやっている者からすれば、実践格闘技がこんなに飛んだり跳ねたりするはずがなく、そこは映画を盛り上げるための脚色であると見た方が良いだろう。

しかし、みぞおちへの蹴りを踏み台にジャンプしてからの肘打ちや腱への攻撃は空手家にも使う人がいると聞いたことがある。

こちらは古式ムエタイの基本型である。途中間違ってやり直したり、いかにもタイ人らしいお茶目な面が見えるが、技は本物だ。

古式ムエタイ基本型

特徴的なのは飛び上がり空中に浮いた状態で脳天に肘を振り下ろす技。これはムエタイの試合で使われるのを見た事はないが、タイミングが合えば頭蓋骨陥没は間逃れだろう。びっくりしたのは回し蹴りから後ろ回しへのコンビネーション。これは極真空手特有の技だと思っていたが、もともと古式ムエタイの技なのか。そもそも、伝統派空手には回し蹴りはなかった。私が研究した範囲では大山倍達館長は正統派の松濤館流を学び、剛柔流も学んだと聞き及んでいる。松濤館流、剛柔流には回し蹴り蹴りに似た蹴りは存在しているが、回し蹴りは存在しておらず、大山倍達館長が空手に取り入れたものと思われる。私見ではあるが、大山館長が世界をめぐる中で、巡り会った最強と言える格闘技がムエタイだったのだと私は思う。とてもここでは書ききれないので、別の会に回すが、極真空手のムエタイへの挑戦の歴史は非常に長く、執念深い。大山館長は「地上最強の空手」を標榜していたが、極真空手が「地上最強の空手」である証明がムエタイを倒すことだったのだろう。実際、極真考えるはこのムエタイへの挑戦によって完成されたと私は考える。

古式ムエタイの型は前蹴り、中段回し蹴り、中段回し蹴り、中段回し蹴りからの後まわしげりとまるで極真空手の移動稽古を見ているかのようだ。

もちろん伝統派空手にも移動稽古は あるが、どちらがより極真空手に近いかといえば古式ムエタイの方がはるかに近い印象を受ける。

こちらの動画はかなり本格的に古式ムエタイ ムエボーランについて学ぶことができる。

Muay Boran Techniques Free Course | มวยโบราณ | Fight Vision

まずは独特の紐を使った拳のテーピング。打撃系格闘技ではグローブを使わない場合、硬い頭部を打撃するとかなり鍛えこまれたの拳であっても拳が腫れてしまう。その理由は、実際においてはいつも理想的な拳の位置で理想的な角度で突きが当たるとは限らないからである。いつも拳頭に当たればいいが、実際はそうはならず拳のいろんなところに当たってしまう。古式ムエタイの紐テーピングはまさに拳を凶器に変える必殺の武器だといえよう。

あまりにも長文になってきたので、この続きはまた次回にする。

コメント