極真空手最強伝説は終わったのか(2)

私は極真空手のオープントーナメントとドラゴンカップに合わせて5回出場している。試合に出もしないで分かったような事を書く輩が多いが、極真空手の怖さは実際に対峙して初めてわかる。私は極真空手の重量級全日本チャピオンの新保氏と対戦した事がある。ついても、蹴っても全くダメージならない。手足はまるでハンマーようだ。極真空手は極めて完成度の高い打撃系格闘技だ。なぜ、顔面突きが禁止になったかというと第1回の大会の時に素手で顔面を突くのはあまりに危険だと役所から許可が降りなかったという経緯がある。

ここからは私の推測になるが2つの選択肢があったはずだ。顔面突きを反則にするという選択とグローブをつけるという選択。

顔面突きは打撃系格闘技で最も重要な要素であって、これを禁止にするという事は著しく実戦性を損なう事になる。それでも大山先生は素手で戦う事を選んだ。

その結果としてフルコンタクトルールが生まれた。そしてこのフルコンタクトルールの申し子がフィリョであり、私の分析ではフィリョは地上最強の一歩手前まで行った。いつかフィリョの技術と心ざしを注いで、極真空手の技術をベースにして地上最強になってくれる者があらわれるはずだ。

というか、もうその候補は現れている。那須川天心だ。那須川天心については機会を改めて語る事にする。

成り行きというか、苦渋の選択で出来たフルコンタクトルールだが、これが実にとんでもない代物だ。

様々な打撃系格闘技があるが強くなりたければ、まず極真空手を習うべきだというのが私の持論だ。

まず、取り上げたいのが中国の散打だ。散打は元々、様々な流派が交流のためにグローブをはめて交流試合をする事を指していた。今でもその意味はあるが、そこから転じて散打という格闘技が出来てしまい、人気を博している。

ともあれ、散打の試合に出ると、蟷螂拳も八極拳も少林拳もみんなキックボクシングになってしまうのだ。

型はどこに?必殺技はどこにいったのか?これには2つの説明がある。中国拳法の練法というのは原理や身体操作を学ぶ者だけのあって、その通りに用いる物ではないという事。これは各門派の強者はやはり散打でも強い(事が多い)事から納得できる。

もう一つの説明はやはり、実戦で効果的な技はキックボクシングの技であるという事だ。

では、最強の打撃系格闘技はキックボクシング(ムエタイ)という事になるのか?私はその通りだと思う。

殴る、蹴るといった一番シンプルで効果的な技だけを残し、さらに肘、膝も使い、顔面打撃もOKで、ごく薄いグローブをつけて戦う格闘技。打撃系でこれを越える格闘技はないのは自明だ。

お前、何言ってるんだ!矛盾してるぞーと言われそうだが、私の言いたい事は最強の打撃系格闘技を目指すという事はキックボクシングを倒すという事なのだ。極真空手は早くからこの事に気づいて、ムエタイとの他流試合を積み重ねてきた。そして、極真空手の完成形がフィリョだった。

フィリョはK-1のリングで極真空手の戦慄の強さとキックボクシングと空手の違いを見事に見せてくれた。ただ、一つ、たった一つ。規格外のモンスタージェロム・レ・バンナの存在がフィリョの歯車を狂わせた。しかし、あの敗戦もフィリョの極真空手をより完成形に近づけたのだ。

次回はなかなか語られない。フィリョがK-1のリングで見せた、まさに怪物ぶりを語りたい。

 

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