極真空手最強伝説は終わったのか(3)〜封じられたブラジリアンキック

あまり、知られていないのがK-1でフィリョが見せつけた圧倒的な強さだ。顔面ありルールで間合いにフィリョが苦しむ姿やモンスター級のパワーファイターに苦しめられる姿が焼き付いてしまって、フィリョはK-1では通用しなかったと思いがちだ。しかし、冷静に分析するとフィリョはK-1のトップファイターをバッタバッタと圧倒的な強さで倒している。

とはいえ、K-1で戦績を残せなかった理由は他にもある。印象的なのは極真の試合であれだけ使っていて、本人も得意技だと言っていた上段回し蹴り、ブラジリアンキックをフィリョはK-1であまり使っていない事だ。

私は下手くそなので練習や試合でハイキックを何度も食らって来た。極真のチャンピオンクラスのハイキックをもろに食らった事があるが、あの時は冗談ではなく、頭の中で除夜の鐘がなった。ボーンという音がして目の前が真っ暗になって倒れた。死んだと思った。余計な話だが、何度かそういう経験をするとだんだんダウンしなくなる。もちろんハイキックのディフェンスを何千回も練習するのだが、どんな上手な選手でもハイキックを蹴る前に上半身が傾く。それを察知すると反射的にブロックの体制を取るようになる。同時に首をすくめて、歯を食いしばるので、ガードの上からもらっても倒れない。一番怖いのはこちらが攻撃しているときだ。パンチでの攻撃は3連打〜5連打が限界で、それ以上続けるとがら空きの頭にハイキックが飛んで来て、KOされてしまう。要するにハイキックは特に高度な駆け引きが要求されるいう事が言いたい訳だ。

K-1でハイキックを多用するのは、アーネスト・ホーストやレミー・ボンヤスキー といったテクニシャンでかつ体のバネを使う選手だった。右ストレートが顔面に一発入れば終わる試合で不安定な体勢になるハイキックはリスクが高く、使うには高度なテクニックが必要だ。例えば、アーネスト・ホーストの対角線コンビネーション。左ジャブが来たと思ったら、右ローキックが来る。これが面白いように決まった。これこそが彼をミスターパーフェクトと呼ばしめた技だ。強烈な右ローキックが来たと思ったら、さらに強烈な左ハイキックが来る。このコンビネーションをかいくぐって右ストレートを合わせられる選手はまずいなかっただろう。中でもK1 2002年の決勝でホーストVSバンナでバンナの黄金の左腕を左腕粉砕骨折に追いやったハイキックは戦慄が走った。

コメント