総力特集 RIZIN15(14)

フランソワはアームロックをかけられたままの体勢で立ち上がった。これだけでも凄い技術、精神力だと思う。自分の腕に決して負担がかからないように立ち上がっている。アームロックを返す技を肉体に染み込むまで散々練習してきているのだ。

ところがRENAはその腕をねじ上げに行った。この瞬間私の脳裏に桜庭和志VSヘンゾ・グレイシーの1戦が蘇った。RENAは桜庭の技を使おうとしていると思った。

ほとんど本能、反射だったと思う。フランソワは絶妙のボディーコントロールをしながら腕を押下げ、危機を回避した。

この試合一体どれだけレベルが高いんだ。正直、今回のRIZIN15 で1番見ごたえがあったのはこの試合だった。女子格闘家の皆さん、今まで見くびっていてごめんなさい。

そしてフランソワは見事にアームロックからエスケープ。全く息継ぎもできない。

さらに第二ラウンド終盤のRENAの関節技の連携が素晴らしかった。逃げても逃げても腕ひしぎが後から後から追いかけてくる。まるで往年のホイス・グレイシーのようだ。さらにホイスのような優しい打撃ではなくRENAはグラウンドの間に思いっきり側頭部に拳を打ち下ろす。後輩フランソワはかなり意識が朦朧としていたのではないかと思う。私も経験があるが、良い打撃を連続でもらうと、頭がぼーっとして何も考えられなくなる。それでも体は勝手に動くから不思議である。

最後にRENAが見せたスーパーテクニック。首を両手で押し込んで

出来た隙間で右ストレートを打ち込む。

昔、魔裟斗選手とブアカーオ選手の対戦を見て人間はここまで強くなれるのかと正直驚いた。今回それと全く同じ感想を抱いた。人間はここまで強くなれるのか。魔裟斗選手の場合はとにかくフィジカルの強さに驚いたがRENA選手のフィジカルはもちろん、超高等技術のオンパレード、頭脳戦に驚かされた。いったい彼女を鍛えているトレーナーは何者なのだろう。

400日以上のブランクを経て、RENAは超人的な強さを手に入れた。試合前にRENAは「特別な事は何もしていない。今まで積み上げた事で戦いたい。」と言ったたそうだ。つまり今回のRENAの劇的な進歩は、特別な練習ではなく、地道に積み重ねたことが花開いたと言うことなのだ。もう一つ彼女が強くなった理由が彼女の置かれた精神状態だったと思う。状況から行ってこの試合に負ければ、限りなく引退に追い込まれる可能性が高かった。。RENAはきっと「悔しい。悔しい。悔しい。強くなりたい。強くなりたい。強くなりたい。もう崖っぷちだ。後はない。やってやる。命がけでやってやる。」とそう思っていただろう。この試合で私はすっかりRENAファンになったし、フランソワも実に素晴らしい選手で、これからもっと強くなる可能性があると感じた。これから2人の強く美しいファイターを陰ながら応援していきたい。

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