総力特集 RIZIN15(17) 〜RIZINがパッキャオに仕掛けた恐るべき策略

おそらくパッキャオは那須川天心との試合のオファーを丁寧に断るために来日したのだと思う。しかしそれはRIZINサイドの思う壺で、本来の目的は那須川天心の試合をパッキャオに見せることだったと私は考えている。

パッキャオがキックボクシングの試合に出る事はリスクばかりでメリットが全くない。まずパッキャオは普通にボクシングの試合で莫大な金を稼ぐことができる。次にキックボクシングについて素人であるパッキャオがキックボクシングのリングに立てば大怪我をする可能性がある。それも今後のボクサーとしての選手生命に関わるような怪我をする可能性があるのだ。理性的に考えればパッキャオが那須川天心との試合生のオファーを受ける可能性は0だ。その0をRIZINサイドはひっくり返そうとしたのだ。榊原氏という人物は一流のプロモーターだと思うがそれだけではないらしい。どうやら希代の博打師であり、格闘技に狂っているようだ。どうやら那須川天心と榊原氏のコンビは日本に第3次格闘技ブームを巻き起こしそうだ。それは私のような格闘技修行をずっと続ける者にとって非常にありがたいことだ。

そして私は予測するが、RIZIN16でパッキャオvs那須川天心が実現するだろう。そして、それが実現したならば、そのリングでわれわれは今までとは別次元のボクシングテクニックを習得した那須川天心を見ることになるに違いない。両者の勝敗の可能性は5:5。イーブンだ。もちろん、ボクシングルールだ。那須川天心はパッキャオが天才であるように、またそれほどの天才なのだ。

パッキャオやメイウェザーはこれから那須川天心が行くべき道を示してくれている。那須川天心が世界的なスターになるためにはアメリカでメジャーになる必要がある。那須川天心がムエタイのチャンピオンを倒した事は多少話題になったがそれだけのことだ。アメリカではヘビー級が全てでヘビー級こそが最強なのだ。基本それ以外のことに興味は無い。しかし例外がある。パッキャオやメイウェザーがやった複数階級制覇である。これには流石のアメリカ人でも熱狂せざるを得ない。そこでまずパッキャオがタイトルを取った歴史をざっと振り返る。

1998年12月4日、27戦目で初となるメジャー団体世界タイトルへ挑戦、WBC世界フライ級王者チャッチャイ・ダッチボーイジム(タイ)を8回KOで下し、王座を獲得した。つまり最初に取ったタイトルはフライ級だった。

その後、スーパーバンタム級まで一気に3階級上げた。WBCインターナショナル王座を獲得、これを5度防衛した。一気に3階級も上げるというのは、かなりの賭けだし、あまり計画的とも思えない。6階級制覇の偉業は計画的にできたと言うよりも懸命に取り組んでいるうちにそうなったと言う印象を受ける。

2001年6月23日にIBF世界スーパーバンタム級王者のレーロホノロ・レドワバに挑戦者予定だった選手二人が相次いで故障で出場を辞退した際、トレーナーのフレディ・ローチに挑戦者に急遽抜擢され、KO勝ちで王座を奪取したことが、一試合で2,000万ドル以上を稼ぐ名ボクサーへの大きな一歩となった。

2003年11月15日、階級をフェザー級に上げテキサス州サンアントニオのアラモドームにてメキシコのスーパースター、マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)と対戦。圧倒的にパッキャオが不利という下馬評をひっくり返して勝利した。

2005年9月10日、ロサンゼルスのステイプルズ・センターにてWBCインターナショナルスーパーフェザー級王座決定戦でヘクトール・ベラスケス(メキシコ)に6回TKOで勝利する。

2008年6月29日、マンダレイ・ベイ・イベント・センターにてデビッド・ディアス(米国)と対戦、初回から一方的に攻め続けて9回KO勝利、WBC世界ライト級王座を獲得すると共にアジア人として初のメジャー王座4階級制覇を達成。

2008年12月6日、MGMグランド・ガーデン・アリーナにて階級を2階級上げてオスカー・デ・ラ・ホーヤとウェルター級契約のノンタイトル12回戦で対戦。現役屈指の人気と実力を兼ね備えた選手同士、加えて両者の体格差から実現することは不可能と思われていた対決とあって「The DREAM MATCH(夢の対決)」と銘打たれていたが、ミドル級も制したデラホーヤに対してパッキャオはライトフライ級上がりということもあり、多くのボクシング関係者やファンが「試合自体が無謀で、勝負にならない。デラホーヤが勝つに決まっている」という見解を示し、両者との対戦を希望している近隣階級のボクサー達からは「2人とも大金に目が眩んだから、こんな馬鹿げた試合が決まったんだ」といった批判も多かった。しかし、試合が始まると、第1Rからパッキャオが主導権を握り、一方的な攻勢の末に8R終了時TKO勝ちを収めた。

2009年5月2日、MGMグランド・ガーデン・アリーナにてリッキー・ハットンと対戦。試合は1Rからパッキャオが2度のダウンを奪い、2R終盤に左のカウンター一撃で痛烈なKO勝ちをし、IBO・リングマガジン世界ライトウェルター級王座を獲得した。

2009年11月14日、MGMグランド・ガーデン・アリーナにてWBO世界ウェルター級王者ミゲール・コットと対戦、試合はウェルター級の規定体重147ポンドでは無く145ポンドのキャッチウェイトで行われた。

キャッチウェイトとは階級差がある選手の対戦を可能にするため主に階級の規定体重を引き下げる事でこの後、パッキャオはキャッチウェイトを使ってよく試合をする事になる。身長が低く、ウエイトが軽いパッキャオには不利がつきまとう判明、対戦相手は無理な減量に苦しめられてベストコンディションで戦えない可能性が大きくなる。

本来の試合なら対戦相手は無理な減量に苦しむことなくベストウェイトで戦えるわけだから、総合的に見るとこのキャッチウェイトはパッキャオに有利に働いたと考えるのが筋である。実際にこのキャッチウェイトの問題点は多くの人によって指摘されている。

試合は、パッキャオが3Rに右フックで、4Rに左アッパーで2度のダウンを奪うとその後は一方的になり、12Rにコットがロープ際に詰められたところでレフェリーが試合をストップ、パッキャオは12RTKO勝ちを収め、WBOスーパー王座とWBCが新設したダイヤモンド王座を獲得、5階級制覇を達成した。

この後、クロッティとWBO世界ウェルター級の防衛戦を行った。この試合でパッキャオは自己最高数となる合計1231発ものパンチを出している。まさんに人間離れしたスタミナだ。

2010年11月13日、テキサス州のカウボーイズ・スタジアムでアントニオ・マルガリート(メキシコ)とWBC世界スーパーウェルター級王座決定戦で対戦。試合はスーパーウェルター級の規定体重154ポンドを4ポンド下回る150ポンドのキャッチウェイトで行なわれた。試合当日にはさらに差が広がりパッキャオの148ポンドに対しマルガリートは165ポンドと17ポンド(約8kg)もの体重差があった、身長もパッキャオの168cmに対してマルガリートは180cmで12cm差があり、両選手の体格差が大きいため試合前には心配する声も挙がっていた。3-0で12回大差判定勝ちを収め、史上2人目となるメジャー6階級制覇を達成した。

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