総力特集 RIZIN15(27) 〜堀口恭司: 伝統空手と総合格闘技の相性

伝統空手4大流派といえば松涛館流、剛柔流、糸東流、和道流である。 この中で最大勢力が松涛館流である。松涛館流の特徴は、異様とも言える非常に遠い間合いから飛び込んで突くことである。なんで松濤館流はこんなに遠い間合いを取るのか、長年の疑問とされていた。もちろん正解を主張されていた方はずっとその間もいらしたわけだが、目に見える形で総合格闘技においてこの遠い間合いの有効性が実証された。

つまり、松濤館流の遠い間合いは組み技があるという前提に立ったものだったのである。フルコンタクト空手の間合いだと、はっきり言ってしまうが一流のレスリング選手のタックルには絶対に対応できない。タックルだってそんな単純なものではない。行くぞ、行くぞ、とフェイントを混ぜたり、打撃を混ぜたりしながら足を取りに来るのだからこれはもう絶対にかわせない。さらにその後の寝技を知らなければ、チョークか関節技で終わりである。

極真最強伝説は終わったのかと言うシリーズで極真空手の可能性を追求しているが、あらゆる打撃系格闘技の基礎としての極真空手、そしてこれからの進化を考えれば極真空手は無限の可能性を持つ。

しかしながら、現実問題としては、総合格闘技の登場によって極真空手は1回終わっている。同じレベルの総合格闘家と極真空手家が総合ルールで戦えば、ほぼ100%総合格闘家が勝つのである。

グローブがなければと言う空手家がいる。グローブがなくてもおそらく空手家の勝率は変わらない。しかし、事態はそう簡単ではない。ではストリートでやった時に空手家に勝ち目がないかというとそうでもない。まず最低限、タックルを切る技術は身に付けないといけない。その上で総合格闘技で禁じられている後頭部への正拳による打撃、背中への猿臂を使えば多少勝率は上がるだろう。それでも100:0が80:20になる程度だと思う。

またこういう空手家もいる。実践は1対1とは限らない1対多数の場合寝技など使えないではないか。確かにその通りである。しかしそれならば、逆に常に1対多数とは限らないし、1対1なら負けていいのかと言う話になる。

昔は極真空手の昇段審査には関節技があった。極真空手は少し改良するだけで、いや元の姿に戻すだけで総合格闘技で戦えるようになるのだ。それには私が打撃系格闘技が総合格闘技と戦うための3条件として提示している技術を加えればいい。

①打撃のための組み技。首相撲からの膝蹴りや相手の顔を左手で押して、右手で打撃すると言う技術。

②グラウンドになった時のパウンドとボディーコントロールの技術。

③グラウンドでも決められる寝技系選手にも負けない、3つほどの決め技。例えばチョークスリーパー、腕ひしぎ十字固め、アームロック。

初期の極真空手は、瞬間的な投げ技、関節技、押し技を認めていたと記憶している。大山館長は 最初からあらゆる条件での戦いを想定していたのだ。

ルールが変更になったのは、体重が重いものが有利になる事で、打撃技術の進歩が妨げられるのを防ぐためと、安全性を高めるためだと思われる。

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