中国北派拳法と南派拳法の違い

空手にとって「空」の概念、とらわれず、居着かず、相手を飲み込むという概念は理想であり、その思いが空手の空にこめられているのは確かのように思われます。もっとも空手と言うのは唐から伝わった手である唐手の当て字であるというのが最も確からしい説です。しかし私に技を授けて下さった優れた師匠たちの教えには不思議なことに一貫して空の概念があったのです。

さて空手のと言う言葉の持つもう一つの意味は空の手すなわち何も持たない手という意味です。

中国拳法は大きく分けて北派拳法と南派拳法があります。南拳北腿という有名な言葉があります。南派は拳、即ち手や腕を多く用い、北派は腿、即ち蹴りを多用するという風に解釈されますがこの解釈は間違いだろうと思います。代表的な北派拳法と言えば、心意六合拳、陳氏太極拳、形意拳、八極拳と言った高級な拳法で、これらの拳法は確かに腿を用いるが蹴りではない。重心の移動に用いるのであって、この重心操作こそが北派拳法の要なのです。北派拳法が重心移動による発勁を中心に組み立てられているのに対し、南派拳法は全く異なる戦闘理論によって組み立てられています。まず、空手でいう所の三戦・不倒という稽古を徹底的にやり、重心を安定させます。またインナーマッスルの操作によっていかなる攻撃にも耐える鋼鉄の身体を作り上げます。

これは非常に面白い。同じ強くなることえのアプローチなのに真逆なんです。北派は居着かない拳法で南派は居つく拳法です。まるで陰と陽です。北派拳法と南派拳法は沖縄空手で言えば、首里手と那覇手、本土空手で言えば松濤館流と剛柔流という事になるでしょう。

先生によっては首里手と那覇手どちらも学んで一人前と言われるようです。私もそう思いますが、強さを求めるなら、広く学ぶより、学んだ事を掘り下げる事が大事だと思います。

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